つわりは軽い方も含めれば、約9割の方にでます。
妊娠初期は月経が止まったことを除くとご本人でさえ妊娠している実感が湧いてきません。ところが、実際は妊娠初期は、流産の危険性も妊娠中期以降より高いですし、決して無理をしてはいけない時期です。つわりは、そんなおかあさんへ赤ちゃんが「決して無理しないでね。」というメッセージなのです。
規則正しくバランスの取れた食生活はとても大切ですが、妊娠初期のつわりの時期は、
「偏食しても構わない。好き嫌いをいっても許される。好きな時に食べられるものを頂く。」
ということが許される極めて特殊な時期なのです。一言で言えば食べ物のわがままを言ってよいのです。これがつわりを乗り切るための一番簡単な方法です。飲み物は何でも結構です。栄養ドリンクや各種の清涼飲料は妊娠中に飲む必要は無い物ですが、つわりの時期だけは飲めるものなら何でも構いません。(勿論、アルコールはだめです。)水分をしっかりとっておれば大丈夫です。一時的にカロリーが不足したり栄養に偏りがあっても、おなかの赤ちゃんは全く心配ないということを知っておいて下さい。
それでも、どんどん体重が減っていくとか、仕事も、家事もできずに寝たきりに近い状況になったなどの場合は、治療が必要です。当クリニックでよく使う方法は、まず漢方薬、そして、輸液(水分とビタミン剤の補給点滴)です。それでもたいへんな場合は入院安静にして大量の輸液療法が必要になる方もあります。しかし、たいていは妊娠週数が進むと共に自然に楽になるものですからあまり心配なさることはありません。
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