ご実家症候群と産休症候群

私どものクリニックは体重管理に厳しいことで有名のようです。

私は開院前の済生会病院勤務時代から一貫して安産のためには「太り過ぎない、運動不足にならない」ということ強調してきました。

それは、勿論妊婦さんと赤ちゃんの安産のためであることはご理解いただけると思います。

「安らかな良いお産」の達成のために、是非頑張っていただきたいと思います。

そのために、ご実家症候群と産休症候群という本当の病名ではありませんが、妊娠中の皆さんにぜひ注意していただきたいことを、あえて「〜症候群」と呼んでご説明したいと思います。

まず、「ご実家症候群」ですが、お産のころにご実家に帰省される方はかなり多いでしょう。遠方から帰省する方は、病院も途中で変わりますから、できるだけ余裕をもって早めに帰省することをお勧めします。県央地区や近隣から帰省する方は妊娠初期から当クリニックで健診している方が多いでしょうし、何か異常が発生しても1時間以内に受診できるようであれば、たいていは対処できます。よって、帰省を急ぐことはありません。むしろ、ご実家に帰ると何から何まで母親にしてもらいすぎて運動不足の食べ過ぎになる危険性があります。ご実家の皆様には、本人と赤ちゃんの安産のために、「体を動かしなさい。食べ過ぎないようにしなさい。」と注意していただきたいものです。つまり、ご実家に帰省した途端に、運動不足の食べ過ぎになることを「ご実家症候群」と呼んでいます。

つぎの、「産休症候群」ですが、これも「ご実家症候群」と同じことです。お仕事をしていた時期はそれ自体が適度な運動になっていたのに、産休に入った途端に運動不足の食べ過ぎになることがあるのです。経産婦さんは上の子の面倒をみたりするのがちょうどよい運動代りになりますが、初産婦さんは特に注意が必要です。産休前まで多忙だったのに、産休に入ると赤ちゃんが生まれるまでは意外と暇だからです。ただし、産休はきちんととってください。陣痛が来るまで仕事をする方が稀にいらっしゃいますが、それは逆に問題です。お産の近い時期は精神的にも肉体的にもある程度ゆったりとした状態は必要です。

産休に入ってからご実家に帰省するのは、二重に「運動不足の食べ過ぎ」になることがありますので、特に気をつけましょう。

以上のことを十分にご理解の上、楽しいマタニティライフを過ごしてくださることをお祈り申し上げております。

平成19年5月5日 記